いったん痛みが出ると、なかなか治らない?

ランニングは手軽にできる運動の一つで、健康のために行なっている方も多くなりました。皇居の周りだけでなく、公園などに行っても、ランニングをしている人をよく見かけます。

ランナーの増加したからでしょうか。当院にも股関節、膝、すねなどの痛みや痺れで来院する患者さんが増えています。

これらの脚や足の痛みは、慢性の負荷がかかることで起こるものが多いです。簡単に説明しますと、ランニングなどの運動をすることで、負担がかかります。それにより、筋肉や、腱、靭帯、筋膜、骨膜、軟骨、、、などなどに微細なダメージ(損傷)が生じます。通常なら休息することによって、そのダメージが修復します。

しかしフォームが悪かったり、十分な休息をとらなかったり、無理をするように毎日毎日運動してオーバーワークになったりすると、修復が完了する前にさらなるダメージが加わってしまいます。ようするに、運動によって体にかかるダメージの度合いが、体で起こる修復の能力を上回った時に、痛みが出ます。すなわち、慢性の怪我が発症します。

初期の段階は痛みもそう酷くは無いので、そのまま運動を続けてしまいがちです。頑張り屋さんほど、この傾向が強いです。

しかし、もともとの痛みの原因が運動によるダメージによるものなので、余計にどんどん痛みが酷くなってしまいます。

慢性の怪我は一度痛みが出ると、なかなか治らないのはこのためです。

では、どうしたら良いのでしょうか? 一般的な治療は?

慢性の痛みを軽減するために、一般的に炎症止めの薬や湿布などが使われます。炎症を鎮めることで、痛みが和らぎます。運動を止めて炎症止めを使うことで、軽いケースだと、それによって体の修復機能が働きやすくなり、治癒することもあります。

しかし、それだけでは治らないケースも多々あります。1年以上痛みのある場合などは、ちょっと薬を飲んで休んだくらいでは太刀打ちできないケースが多いでしょう。

その場合は、痛みの原因となっている筋肉の硬さ・コリを軽減する必要があります。

ストレッチ、マッサージ、超音波治療、電気治療なども一般的な治療法です。整体などに通う人もいるかと思います。これらの治療法の弱点は、実際に痛みを引き起こしている筋肉を直に緩めることが難しいということです。なぜなら、慢性の痛みを出している筋肉などの組織は体の深いところにあるからです。


一般的な治療では限界がある?

しかも、特に下肢の慢性的な痛みは、筋肉自体に加えて、筋肉が付着している部分が原因になっています。

筋肉は腱を通じて骨に付着しています。しかし、実際には骨に付いているわけではなく、骨の周りを覆う骨膜という薄い膜に付いています。

牛スペアリブを食べたことがあるでしょうか?骨つき肉を綺麗に食べると、骨に薄い膜があるのに気づきませんか?あれが骨膜です。

骨膜には痛神経が張り巡っています。骨折や骨の打撲を経験した方は分かると思いますが、骨から来る痛みは、とてもズキーーーーンと重く響きます。個人的には、耳が取れそうになるほど痛いと感じます。その強い痛みは、骨自体からではなく、骨膜から来ています。

筋肉が硬く凝ると、付着部である骨膜を引っ張り、痛みを引き起こします。治療としては、筋肉のコリを取るのはもちろんのこと、骨膜にかかった緊張も取る必要があります。従来の治療法ではとても難しいです。

一般的な鍼治療も、深く鍼を施す治療は行なっていません。そのための知識・修練・経験の無い鍼灸師が深く鍼を刺すことは、刺鍼事故にも繋がります。


痛みの原因を治療するためにはどうすればいいのか?

北京堂の深い鍼は、深部にある筋肉の凝りに直接届かせることができます。それで、骨膜に直接鍼を施し、骨に擦るように鍼を的確に動かします。短刺(たんし)という中医学書の古典にも記されてある昔からある技法です。

鍼が的確に痛みを起こしている箇所に達すると、患者さんは自分の痛みが再現される感覚を得ます。例えば、走るとすねに痛みのある患者さんは、その痛みと同じような痛みをを鍼が患部に届くことで感じます。まさに、痛みが再現されるわけです。痛いかもしれませんが、それが治療が効いていることのサインです。

鍼師としては、鍼が患部に届くと独特の手応えがあります。それらの数あるポイントに的確に安全に鍼を施していくことで、痛みを引き起こしている箇所を治療することができます。それが北京堂鍼灸の流儀です。

さらに、同じ膝の痛みでも、痛みを起こしている原因は違います。基本的には、体の痛みは、筋肉のバランスが崩れていると起こります。例えば、胴体の片側にある筋肉が反対側より硬いと、体の軸は横にズレます。つまりバランスが悪くなります。この状態で、運動を続けていると硬い筋肉はさらに硬くなり、そのうちに関節にも負荷がかかり、痛みが生じます。

ランナーに限らず、脚に痛みのあるケースでは、脚を動かす股関節周りの筋肉、脚自体の筋肉、足首や足の指を動かす筋肉、それに骨盤周りの筋肉などなどが関わっています。それらの筋肉の強さ・硬さと緩さ・弱さのバランスが崩れると、痛みの原因になるのですが、どこの筋肉がを緩めるべきかは、ケースによって違います。

北京堂横浜では、どこに痛みを引き起こしている原因があるのかを詳しく調べます。そして、緩めるべき筋肉の箇所を判別し、それらのポイントに的確に鍼を施すことで治療します。それらをいかに正確にできるかが、治療家としての腕の見せ所でもあります。

痛みには、原因があります。そこを効果的に治療すれば、痛みは無くなります。我慢しても治らない痛みは、痛みに耐えるよりも、まずはお電話か、お問い合わせフォームからご質問してください。